けいあんの御触書

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広がる輝き、伝わる熱 ラブライブ! サンシャイン!!第13話

 梨子が1位になれていると良いなぁ……という一心で取り組んでいたセブンイレブンのイメージガール投票にかかりっきりで、周回遅れ感はありますが13話感想です。

 13話にわたるAqoursの物語は「私たち、輝きたい!」というキャッチコピーをまさに体現したものでした。まさかこの「私たち」が9人だけでなく、周りをも巻き込むものだとは思っていませんでしたが……
 μ'sは「廃校阻止」という最初の動機が「やりたいからやる」にシフトしていったのですが、Aqoursは最初から最後まで「輝きたい」を模索していく物語。12話が終わった後、3周見終わった辺りでTwitterにこんな事をpostしました。

  13話で上のpostが正しかったと確信し恒星になったというのを感じられたからこそ、今回の感想タイトルになったわけですが……その部分について語ってみようと思います。


 最後の舞台でのミュージカル調の部分。6話のPV作成回への回答となるような内浦の良さを千歌が語る導入から、ここまで12話かけて歩んできたAqoursの成立の過程を見せる生PVでした。
 千歌の動機は「憧れのμ'sのように輝きたい」、アニメ中で執拗なまでにμ'sについての描写が繰り返され、目標とする存在として描かれていました。しかし追いかけている間はあくまでコピーのようなもの、自ら光を放つのではなくμ'sの輝きを受けて光っているような状態でした。利用するのも、模倣するのも悪いことではありません。しかしμ'sがA-RISEを上回っていったのは、持ち味は多様な個性・自分たちらしさにあると気付いてそれを体現していったからでした(きっかけは2期6話ですね)。Aqoursも曲自体に独自性はあったものの、どこかμ'sを追いかけている状態で活動が続いていて、自分たちらしさを出し切れていたかというと疑問が残ります。しかしそれを完全に振り切ったのが12話での言動でした。

 μ'sが地に足をつけて終わりにする事を宣言したあの海岸。Aqoursはそんな事は当然知らないわけですが、奇しくも同じ場所で0から1へのステップを期してジャンプしと、対称的な行動でμ's振り切ることを表現しました。9話の時点で自立したと思っていましたが、完全に振り切ったのが12話、「全身全霊 なんにもとらわれずに 自分たちの気持ちに従って」という千歌の台詞、そしてその後のモノローグを聞いて、自分はAqoursが恒星になったと感じられたのです。

 そんな恒星となったAqours周りの変化が描かれたのがこの13話です。Aqoursが夏休みを毎日費やして練習していたのを知った四・五・六から協力したいという話がなされましたし、東京でのイベント時には見送りだけだった生徒たちが、東京よりも遠い名古屋では勢揃いしてと、周囲の人達の行動に変化が生まれてAqoursの活動への理解が増しているように描写されていました。これらの描写から、Aqoursが恒星のような存在になった事で周りを照らして熱を伝えられるようになり、周りの人たちを突き動かしたと感じられて自分はグッと来たのですよ。

 この周りの人たちを突き動かすという動きは現実でも起きていてですね……定期的に舞台周辺に出かけている人なら肌で実感していると思われます。作中で出てきた「あわしまマリンパーク」「伊豆・三津シーパラダイス」「松月」「欧蘭陀館」などは言わずもがな、ラッピングバスや直接は出てこないラッピングタクシーの運転手さんも作品を見て、好きになってくれて語ってくださっています。

 そして作中には出てきていない店にも波及し始めているのが、アニメが始まってから顕著になっている点なのです。まずは「JAなんすん(南駿)」さん。「沼津港 みなと新鮮館」内にあるアンテナショップでは、サンシャイン!!デコレーションが週を追うごとに多くなっていますし(ちょうどこれをupするタイミングで写真をupした方がいるので、そちらのpostを参考にしてみてください)、重須にあるアンテナショップ「OH!MOS」でも、最初に行った頃とは比べ物にならないぐらいグッズが置かれるようになっています。店員さんも作品を見ていたり、舞台に訪れた人を丁重にもてなしてくれたりと、サンシャイン!!が産んだ熱が伝わっているように感じられます。また「中国料理いーある」「つじ写真館」など作中で映り込んでいないお店でも、店の方が作品のファンになってくれていて、サンシャイン!!デコレーションを施したしています。内浦でのっぽパンが買えるスポット「辻宗商店」さんも、色々な記事やポスターがはってありますし、店主のおばあちゃんも作品の話が出来まして、自分が訪れた際も少し時間を忘れて話ししてしまいました。
 あとつい最近見たpostではこれがグッと来ました。三の浦総合案内所のノートに書かれたものです。

  3話の感想でも書きましたが、散策していると舞台周辺に住んでいる方と会話する機会も出てきますが、作品から発せられた熱が老若男女に……お店の人にもそうでない人にも伝わっています。それは通えば通うほど熱の高まりが実感できるのですよ。
 その実感があったからこそ、Aqoursの輝き・熱の伝搬をしていると感じられる生徒たちや内浦の人達の行動が現実ともリンクし、より深く自分の心を揺さぶったのです。

 2話の感想タイトルで「君のこころは輝いてるかい?」を使い、記事中にこんな事を書きました。

「君のこころは輝いてるかい?」の歌詞自体も作品のテーマに近いものと感じられますし、このアニメ序盤は「君のこころは輝いてるかい?」の歌詞に繋がる物語って感じちゃうんですよね。

 歌詞ではなく最後のセリフそのものでしたが、アニメのラブライブ! サンシャイン!!はまさに「君のこころは輝いてるかい?」に繋がる物語でした。OP映像で千歌が走って向かっていった先にはμ'sらしき人影が居ましたが、13話で舞台から千歌が向かっていった扉の先は、最初のキービジュアルである「助けて、ラブライブ!」の海岸。これもμ'sを追う事から脱却し、自分たちの道を歩みだそうという決意表明の表現だと感じ取れました。
 しかしここまでしてきた解説を「MIRAI TICKET」の歌詞だけで表現してしまっている感があるのですよね……畑亜貴恐ろしすぎでしょ。

 アニメが終わった後の世界は、あのキービジュアルを初めて見たこの現実世界に繋がっているような感じ。0から1にようやっと辿り着き、ここからはじまる物語。本音を言えば動いている9人が魅力的だからこそ、またアニメで見てみたいという気持ちはありますけど、13話が終わった後の世界は今自分たちが見ている世界だと考えれば、ここで終わっても全く問題がない、綺麗な締め方だったなと思っています。


 Aqoursとの歩みはまだ始まったばかり。どんな未来が待っているのか「MIRAI TICKET」を掴んだAqoursの様々な媒体でのこれからの活躍に期待したいです。