けいあんの御触書

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狂気と情熱とが生み出した怪作 KING OF PRISM

約1時間の「KING OF PRISM」から感じた鬼気迫る感情……これが辞世の句となっても悔いはない、そんな感情を抱かせるものでした。
関連作品に一度も触れないまま見に行った自分が思った感想がこれです。


全く知らない作品の映画を見に行くきっかけとなったのは下の2つのエントリ。プリティーリズムに思い入れのある2人の思いの詰まった文章「これだけの言葉を尽くしてでもみんなに伝えたい」そんな情熱が自分を動かしてくれたのでした。 

 
この「KING OF PRISM」、現在大人気のプリパラに繋がったプリティーリズムのスピンオフ作品であります。しかしながらそのプリティーリズムの設定・あらすじ等は全く知らない状態でも話を追えるようには作ってあります。

 

作中ではフィギュアスケートをしながら歌唱をするというプリズムショーが人気を博しているようですが、演技はもちろんですが特に観客の心を虜にしていくのがプリズムジャンプ、ゲームのアピールのような感じでそれぞれのキャラの特性を活かした世界に誘ってくれます。大元がゲームという事を知っていた自分は、幾つかの音ゲーで使われている似たようなシステムを知っていたのですんなり飲み込むことが出来ましたが、そういう物に触れていない人にはちょっと分かりにくい点かな。

しかし何が狂気かって言ったら、元のゲームが女児向けなのにもかかわらず男子キャラしか出さないスピンオフ作品を作ってしまったという事ですよ。可愛い女の子が投影するのは基本的には女の子キャラですから、この作品はそもそもどこがターゲットになるんだ、って話になるわけです。
プリティーリズム自体が本来のターゲット層だけでなく、所謂「大人のお友達」層に浸透するぐらいの出来の良い物語だということは、上に挙げた2人をはじめとして多くの人の言及がありましたから見ていない自分にも伝わってきましたが、そこをターゲットとしたとしてもあまりにも狭い……良く制作にOKが出たもんだと言わざるを得ません。


ですがその狂気はとんでもないものを作り出しました。約1時間にぎっちり詰められた物語は、初見の自分にも様々な感情を抱かせつつ、主人公の成長を見て温かい気持ちで終われそうに……という所からの急展開。~fin~とは出てきたけどこの後がさらに面白そうな展開が待ち受けていそうじゃないですか。続き作ってくださいよ、本当に……という所で思い出されたのが、ゆめかさんのblogに書かれていた『前後編なのに後編の制作が決定していない』という事実。前段で書きましたが明らかにターゲット層が狭いこの作品、上映にこぎつけただけでも奇跡的なわけですから、次があるかどうかが分からないというのも頷いてしまいます。


今の段階ではこの後の展開がどうなるかはわかりません。何度も書きますが明らかにターゲットが狭すぎる作品ではありますが、だからといってその枠の外の人が楽しめないわけではないです。事実、枠の外にいた一員だった自分が存分に浸り楽しみましたから。枠の中にいる人を誘うのはとても簡単ですが、枠の外にいる人を誘うのは一筋縄ではいかないのです。わからないものに対して興味を持つというのは簡単ではないですから。だからこそ自分は言葉を尽くして伝えたい、そんな気持ちでこのエントリを書きました。それはきっかけとなり、枠の中へ誘ってくれた2人への感謝の気持ちも込めての事です。

このエントリを読んで、1人でも多くの人が枠の中に興味を持ち、入り込んで来てくれることを願いつつ締めさせていただきます。