けいあんの御触書

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最後の1ピース ラブライブ! サンシャイン!!第19話(2期6話)

 ED曲「勇気はどこに?君の胸に!」が発売されたので買ってきたわけですが……なんなの畑亜貴、予言者なの?この日に発売するのを見越しての歌詞なんじゃねーの?なにこれ、なにこれ……6話視聴後に聴くのが最高のタイミングでしょ、この曲。という事で6話本編でもやられていたのに、TVサイズで聴けなかった部分をCDで聴いてもんどり打っておりました。畑亜貴恐るべしだわ……。

 今回の話を見て思い出されたのが2012年の紅白歌合戦での「ももいろクローバーZ」と「SKE48」所属の藤本美月さんのパフォーマンス。
 前者はリーダー百田夏菜子さん持ち技であるエビ反りジャンプに連続前転、他のメンバーも側転などの大きな動きを披露して沸かせました。そういえば馬跳びもありましたね……そして百田夏菜子さんはリーダーの器じゃないと思っていた事もあったりと、千歌と被るんですよね……ももクロは2015年に女川町のイベントで生で見る事が出来たのですけど、あの運動量であの声量が続くの本当にすごいんです。
 後者の藤本美月さん、ロンダート→バック転→バック宙という今回千歌が見せた以上の技を披露していたのです。今回のモデルにしたのが「これ」と言われたら素直に信じるレベルなはず。それを紅白の舞台で見事に決めた運動能力と胆力に脱帽したんですよ。
 ももクロSKE48ともにアイドル好きな周りの人は評価していたグループだったのですが、紅白でのパフォーマンスを見て自分も認識を大いに改めた、そんな事が思い出されます。
 ロンダート→バク転ならば運動経験者なら結構楽にできるんじゃないかな?夏・水泳部/冬・スキー部の自分ですら、屋内トレーニングのついでに練習していただけで出来たぐらいですし。ただしバック宙までいくと……自分の感覚ですが、手を着く・着かないの差がとても大きかったので、バク転で止まるのとそこから先まで行くのでは大きな差があると感じたんです。なのであの猶予期間で成功させるなら、結構現実的なラインかなーって思っております。

 さて本編の方ですが、見終わった時に思い返していくつもの「あー」が出てきて心が震えたのですよ。1期4話ではルビィと花丸が今いる場所から互いに手を取り合って、1期9話では果南・鞠莉がわだかまりを解消して、1期5話での善子と2期4話でダイヤさんはそのままで良い事を周りに受け入れてもらい、1期11話・2期5話では曜・梨子が他のメンバーとの絡みながら、それぞれの殻を打ち破ってきたわけですが……まだそれが出来ていない人がいますなって。他の人の殻を破ってあげているのに、自分自身の殻には気付かず閉じこもっている子がね。

 前回の話から浦の星の希望者が10人も増えてないという事実から、パフォーマンスをする機会があれば学校を知ってもらえるが、そうでない時は知ってもらえるチャンスが激減するという事が表現されています。3話で二兎を追うように「ラブライブ!予備予選」と「学校説明会」を両立させようとして上手く行ったことが成功に繋がった。だからこそ次のイベントも成功させればあわよくば、という思考に繋がるのも当然です。
 そこから3年生の過去話に繋げ、3年生の過去の精算を2年生に託す流れ。そして直前の話であった「見えない力」で集った9人のうち8人が、その見えない力を生み出す原動力となった残る1人を信頼して見守り、ちょっとしたきっかけで殻を破らせる……という全てが千歌に収束していく物語だったのですよ。

 自分は主人公が主人公たる物語が大好きなのですが、ここに来て千歌にさらに主人公らしさを背負わせようとした事が、千歌を演じる伊波杏樹さんに重なって見えてしまいましてですね。自分は千歌もそれを演じる伊波杏樹さんも似たようなリーダーだと思っていまして、それは過去の発言から窺い知ることが出来ます。

 こんな感じでともに「自分はリーダーという柄ではない」というのを自覚しているんですが、そこからの脱却が今回。千歌に対しては、そのきっかけを作ってあげたのが果南で、気付かせてあげたのが曜・梨子、残る5人も大切な我らがリーダーを信頼し見守っていました。
 一方、伊波杏樹さんも2nd live tourで座長として相応しいほどの成長を見せていたものの、メットライフドームでは体調不良からか他のメンバーに大いに助けられており、それが最後の心の叫びに繋がったという流れがありました(この部分は2期4話(17話)での感想でも紹介している友人の感想ブログからの改変・引用です。そちらも是非見てみてください http://yoda44.hatenablog.com/entry/2017/10/06/174908 )その伊波さんが残してしまった殻を破らさせるお話だとも感じられて、虚構と現実が重なって見えてしまったのです。この6話の制作のタイミングとしてはメットライフドームの前に話は出来ていたと考えられます。それでも虚構と現実とが重なってしまう……それがラブライブ!の面白い所なのですわ。

 6話挿入歌「MIRACLE WAVE」は千歌だけでなく全員にとって挑戦的であったことは、ライブ映像からもうかがい知れます。これまでよりも速めなテンポの曲、激しさを増した踊り、そして千歌のロンダート→バク転、どれもが挑戦的。有象無象となるようでは予選は勝ち抜けない、背水の陣だからこそ限界ギリギリまでやってやろう、そんな事が伝わってくるパフォーマンスになっている表現が良かったなぁ。
 最初の方は話の展開上、振りに意識を取られて見てしまっていましたが、落ち着いてくると歌詞がまた凄い事に気付かされるのですわ……畑亜貴恐るべし。この短いTVサイズでもダメージでかいのに、フルを聴いたらまたどうなることやら、ですよ。まあ完敗する予感しか無いです。

 0から1にはしたAqoursでしたが、1では普通、有象無象です。ですが今回の話で先に1を脱した人たちの導きで千歌が1から次への1歩を踏み出す、それはこれまでの18話で描いたことの集大成。綺麗に物語が1人に対して収束していき、9人の、学校の、みんなの夢へと繋がっていく、そんなことが感じられるお話でした。