けいあんの御触書

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人間賛歌を描き出したラブライブ! サンシャイン!!第26話(2期13話)

 もう1月も下旬に入ろうかという感じですが、最終回感想です。

 昨年に続いて1月2日に内浦・沼津を訪問してきました。大晦日から元日にかけての舞台の混雑は昨年の比ではなかったという事は、行っていたフォロイーの発言で察せられましたが、1月2日も昨年とは比べ物にならない人出だったと思っています。あの最終回の黒板アートを描き、同じものが展示されているつじ写真館にも行ってまいりました。この絵と正対すると心動かされますよね……

 これから1月末~2月下旬ぐらいまでは、主要なファン層である大学生がテストシーズンに入りますし、イベントも松浦果南誕生日ぐらいしか予定されていませんので、昨年同様の流れであれば比較的落ち着いて巡れる時期になります。回れそうな方は行ってみてはいかがでしょうか?



 さてさて感想を。幾つかの要素が綺麗に1つにまとまって物語を締めくくる。これ以上無い展開を見せてくれたのがラブライブ!2期13話(26話)でした。

 近くにあるものには「気付け無い or 気付きにくい」という点に関しては1期6話の感想でこんな事を書いていました 

 今回の話の流れとしては、統廃合決定からAqoursの新たな活動動機が生まれ、その流れで入学希望者増を目指してPV作りをしようとした所で、梨子によって「内浦の良さ」を知るというお話。住んでいる所の良さについては「あるのが当たり前」という感覚に陥って意外と気付けないものなのですよね。それを外から来た梨子が教えてくれた。これは転校してきたからこそ気付ける点かも。実際、自分も何度か内浦周辺を巡っていますが、良い所なのは間違いないです。しかしこれが他の街より秀でているかというと……そんな事無いのですよね。どの街にも良さがある、ただ育ったり住んでいる自分の街とは違う良さだから気付きやすい。「舞台探訪」した人が自分の街と比べる発言をするのを見かける事がありますが、新鮮さで気付きやすいだけで、住む街は当たり前すぎて気付いていないだけなのですよね。だから外の街だけでなく(見ている)あなたの街の良さも気付いてほしいな、そんな事を思いながら見ていました。

これが私の街 ラブライブ! サンシャイン!!第6話 - けいあんの御触書 より引用

 たとえば自分が住む山梨県は研磨宝飾産業が盛んです。今はなくなりましたが甲府駅南口には「宝石の街 甲府」モニュメントもありましたし、別作品ですがアイドルマスター SideMと山梨県の地場産業とのコラボ企画では、甲府市の隣にある甲斐市のメーカーがコラボ商品としての宝飾品を作っていました。このように県都甲府市とその周辺には宝石に関わる店舗・博物館などが数多く存在していまして、宝飾産業が盛んな事がわかるのです。しかしながら住んでいる人にとっては意識しなければ「いつもそこにある場所」でしかないわけで、その土地独特なものであるとか特徴的なものであるという認識をなかなか持てないわけですよ。

 また毎日見ているものに対して変化していると認識するのはとても難しいことです。積もり重なれば大きな違いになるものでも、日々の変化は微々たるもので本人には認識できない事がほとんど。これについてのわかりやすい例えとして使っているのが星の動きでして、星というのは1日で約361度回転するんですよ。この「約1度」の余計な部分が実はポイントでして、1日後の同じ時間に見てもほとんど同じ場所にあるようにしか見えないのですが、1ヶ月後の同じ時間だと30度ずれた所に見えるわけです(中学理科のお約束的問題なやつですね)。このように小さな変化は本当に認識しにくい上に、自分自身については一番近い存在ですし、客観視するのが一番難しい存在ですから本人が認識できないのは当然です。ですから千歌の変化に気付いて言葉をかけてあげたのが、普段は家を留守にしがちな千歌母というのがすごく良い描写でしてね。冒頭では「太った?」などと冗談めかした言い方をしていましたが、海岸でのシーンでポイントとなる発言をしていましたし、たまにしか会わないからこそ千歌の大きな変化に気付ける、そんな事を示してくれている綺麗な描写だったと思っています。

 「輝き」という漠然としたものに対しての答えは最後の「WONDERFUL STORIES」に込められていたと言っても過言ではないでしょう。自分にとって印象深く残った言葉が「青い鳥」でして、Aqoursカラーである青をイメージしたものであると同時に、モーリス・メーテルリンクの物語「青い鳥」にも通じるものだと感じられたんですね。チルチルとミチルが青い鳥を探すために旅に出たものの、実は青い鳥は家にいたという物語……ですが「青い鳥は家にいた」というのは様々な解釈が出来るこの物語において正確では無いかもしれません。自分の解釈としては、チルチルとミチルが旅の過程で得た経験が、家にいた鳥を青くしていったと思っていたので、それがサンシャイン!!を通じて描かれた物語と一致したんですよ。
 ここで地場産業としてあげた研磨宝飾産業に話が繋がっちゃうわけですけど……原石から輝きを導き出すのが宝石研磨。大抵のものは研磨した方が輝きを増していくわけですが、原石自体は自然のものですから同じものは1つとしてないですから、細かい観察眼を配せつつ加工していく必要があります。この動画は一例ですが、これだけでも難しさと、研磨した後の素晴らしさが感じ取ってもらえると思います。

 こういった研磨作業の難しさを知っていただけに、「未来の僕らは知ってるよ」の歌い出しの部分「ホンキをぶつけ合って 手に入れよう 未来を!」という歌詞が、この研磨作業と通じるように感じられたんですよ。千歌をはじめとしたAqoursの9人が切磋琢磨する事により、輝きを放ち始めた。2期3話での無茶なルートを通ってでもやり遂げようとしたイベントはしごも、千歌によるロンダート→バク転への挑戦も、全ては様々な出来事に「ホンキでぶつかりあった」からこそ。みなが持っている原石を磨き上げ、他にはない輝きを放ちはじめた、サンシャイン!!はそういう物語だったと感じています。それは「WATER BLUE NEW WORLD/WONDERFUL STORIES」のCDを見て、TVサイズで使われていない部分まで聴いた上でその確信をより強くするに至りました。畑亜貴の言葉選びに殺された人は多いのではないでしょうか?私は数え切れないぐらいやられました。

 サンシャイン!!は1年間と短く限られた「この9人での」スクールアイドルの物語ではありますが、人生も同様に限られた時間の物語ですから、そりゃ誰にも通じるテーマになっているわけですよ。スクールアイドル賛歌でありながら人間賛歌をも内包していたのがラブライブ!サンシャイン!!だったのかなぁ、なんて思っています。

 上で引用しましたが1期6話感想でのテーマとした「自分のすぐそばにあるものには気付きにくい」が描かれていましたし、1期13話感想でTwitterから引用した自post「μ'sからの光を受けて輝こうとしていたAqoursが、自分から光を放つ恒星になろうとしたお話になりそうですね」に関しては、1期13話の時点では原石の輝きであったAqoursを磨き上げる為の物語が2期全体であったと感じています。

 舞台を巡る旅は楽しいものです、アニメの世界に入れるような気分になれますしね。でもこれまでの感想記事で何度も書いていますが、身の回りにも良い場所はたくさんあるはずです。住んでいる場所でたくさんの良い所が見つかれば、日々の生活がより楽しくなると思うのですよ。ですからサンシャイン!!の物語を通じて、近くにある幸せをもっともっと探していけたら良いな。そういった行動が多くの人に伝わっていって、色々な街が元気になるきっかけになると良いな、そんな説教臭いことを締めとして2期の感想を終えようと思います。読んでいただきありがとうございました。