けいあんの御触書

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「コンカッション」を見てきた

 アメリカの4大スポーツの中でも飛び抜けて人気が高いNFL。そのNFLで起きた実話を元にした物語「コンカッション」を見てきました。「コンカッション」とは脳震盪の事。ハードなぶつかり合いが多いアメリカンフットボールでは切っても切り離せない身体トラブルです。

 NFLでは毎年のようにルール改正をしています。守備側が有利な状況が生まれやすくなったら攻撃側が有利になるように、逆もまた然り。他にも細かいルール改正が行われていて、試合がより面白くなるようにとルール面からも工夫を重ねているのです。サッカーのようなワールドワイドなスポーツでないからこそ出来るアグレッシブなルール改正。これが試合の面白さをより増していき、アメリカにおいて他のスポーツとは桁違いの人気を博す要因の1つにもなっていると思っています。

 しかし面白さを追求するのとは全く正反対のルール改正がありました。それがキックオフ位置の改正です。細かいルール説明は割愛しますが、それまで自陣30ydsから蹴る事になっていたキックオフを、改正後は自陣35ydsからとしました。この変更によって醍醐味の1つであるキックオフリターンがしにくくなってしまったのです。この改正に反対している人は今でも多いですが、今年になってさらなる改正が行われこちらの記事のリーグ競技委員会の原案どおりとなりました。本来は「試合の面白さ」を追求していくはずなのになぜこんなルール改正が行われたのか。その原因の1つが今回の映画のテーマともなる「コンカッション」だったのです。

 作品では「コンカッション」を元に起きた事件から危険性を追求していきます。事件を知っている自分でも「ショッキングに描かれているな」と感じましたので、知らない人にとっては自分が感じるよりもショッキングな症状だと感じられるかもしれません。それでも目を背けてはならない現実が描かれているのです。

 今年は「疑惑のチャンピオン」もありましたし、昨年には「パンターニ 海賊と呼ばれたサイクリスト」もありと、スポーツ界の暗部を描き出す作品が相次いで公開されました。どの作品もスポーツビジネスが巨大だからこそ起こってしまった問題点が描かれており、その反省を活かそうと必死にもがいているのが今この瞬間の各スポーツ界です。これから先も問題が起きないとも限らないですが、少なくとも描かれた事だけでも再発はないようにしてほしい……そんな事を思いながら、私はスポーツを見続けていくのでしょう。これから同様なことがどんどん減って、スポーツ選手が良い形で第二の人生を送ってくれる事を願ってやみません。