けいあんの御触書

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1から次へ ラブライブ! サンシャイン!!第14話(2期1話)

 ラブライブ!は誌上企画・CD・アニメ・ライブとあらゆる展開が相乗効果を生み出し、ただのメディアミックスという枠に収まらない進化を見せてくれる……それが私の興味を惹きつけてやまないわけです。1期13話の感想エントリをはじめ、あらゆる機会で口に出しているのが「スタート地点を揃えるための1st live」。アニメ13話ではキービジュアルに繋げた所で終了しました。そこから「君のこころは輝いてるかい?」に繋げればもっと印象的な展開になったことでしょう。しかしアニメではそれをせずにliveで披露しました。1期13話初回からliveの日までに再放送があり、気付くのが少し遅れた人をすくい上げてみんなで一緒に「0から1へ」を踏み出したのが1st liveと、最初の一歩をより多くの人と踏み出すことによって「みんなで叶える物語」をさらに印象づけた出来事だったと思っています。

 そんな「0から1へ」の踏み出しから約半年、「HAPPY PARTY TRAIN TOUR」を経てのアニメ2期がスタートしましたが、アニメ2期も1期と変わらずスタッフの描きたいものが感じられる作りでした。これも何度か書いていますが「ラブライブ!」がスクールアイドルの大会である事を提示されたのはプロジェクトが始まって随分後だったんですよね(たぶん初出は鴇田アルミさんによるコミカライズ版)。ですのでラブライブ!の大会自体にはあくまで舞台装置の1つであって大きな意味はなく、出場・優勝を目指す過程の9人の成長を描くというのがアニメでは主題になっているのです。

 特に印象的だったのが主人公である高海千歌の成長でしょう。1期の展開を経たからこそ、感情をストレートに出して決められかけている未来に抗おうとする。
 「このままでは廃校になる」という音ノ木坂学院と「廃校を先延ばしにしていただけ」という浦の星女学院では大きく状況が違っています。前者が改善の可能性が残されているのに対し、後者はほぼ逆転不可能な状況。お店などでも閉店がアナウンスされると人が殺到することがありますが、それがずっと前から続いていれば閉店する必要はなかったですし、閉店の決断が行われた後ではいくら人が来ても変わることはないのです。
 Aqoursの活動目的の1つが大きく削られた中で、9人は諦めない事を選択し「キセキ」へ目指していく、その先鞭をつけたのが鞠莉パパに直談判しようとした千歌ちゃんだったように感じられたのですよ。そしてその想いは9人とも同じだけど、行動しようとした千歌ちゃんがいたからこそ、その思いに呼応するかのようにグラウンドに9人が集まっていたって感じられたのです。特に1期とまるで逆の立場となり、カットからもあからさまに意識されていた桜内梨子ちゃんとのやり取り、「軽蔑」って言葉が使えるというだけでも2人の特別な関係性が感じられてドキドキしちゃいましたよ。というかあの言葉だけで伝わる情報の濃度が凄まじくないですか?凄くないですか?このあたりのAqoursの絆がより深まった描写は、「HAPPY PARTY TRAIN TOUR」を経ての現実の9人の結びつきや成長とリンクしたように感じられてですね……もちろんアニメはアニメ単体のお話なはずなんですが、現実とリンクするような展開があるのがラブライブ!の面白さ、それを早速実感できた描写だったと思っております。

 OP曲・ED曲はさすがの畑仕事、歌詞が刺さる刺さる。本当に作品のことをちゃんとわかった歌詞を書いてくるし、それでいて聴きやすさとか刺さる歌詞ときちんと入れ込んであるんだもんなぁ。でもTVサイズに入ってない部分にもっと強力なやつを仕込んでいるのが畑亜貴さんなので、気持ちを強く持ってCD聞かないと。
 映像面でも色々挑戦的な事がなされていましたが、EDでの水の処理とか力技なの……恐ろしい。

 1話の時点で方向性がぶれていないことに安心しつつも、9人の事を考えると不安が、でもそれをなんとかしてくれるのではないかという期待が入り混じっています。Aqoursの新しい物語、期待したいですね。