けいあんの御触書

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LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス に行ってきました

 LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス……夢がついに現実になりましたよ。ありがたい事に最初の先行でチケットが確保できたのでお友達の花丸好きと交換し、花丸好き2人並んで(ここ重要)見てまいりました。

 しかしとんでもないセットリストでしたね……全く休ませてくれないの。「死にに来てるんだから殺してあげるのが慈悲」と言わんばかりの、終演まで座る暇さえ与えないほぼノンストップな構成。MCも意識して短めにしていましたし、ここまで歌中心で組み立ててくるとは思っていませんでした。1グループのみではないので、衣装替えや呼吸を整える時間が必要なかったからで、フェスならでな嬉しい悲鳴をあげる展開でした。
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 今回は曲順で書くのが難しいライブだったので、作品・ユニットごとにまとめて語っていこうかと思います。いつも通り演者さんの表記は◯◯役△△さんという表記で統一しますので予めご了承ください。


虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
 02.TOKIMEKI Runners
 day1_03 夢への一歩
 day1_04 ドキピポ☆エモーション
 day1_05 眠れる森に行きたいな
 day1_06 Starlight
 day2_03 あなたの理想のヒロイン
 day2_04 Evergreen
 day2_05 ダイアモンド
 day2_06 めっちゃGoing!!
 day2_07 CHASE!
 day1_07 / day2_08 Love U my friends

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(以下 ニジガク)、この前の単独ライブではパフォーマンスが良いな……と思っていたのですが、比較対象がいるステージに立たされてしまうと、大きな差を感じてしまった点は否めません。単独ライブから約1ヶ月で3倍ほどの規模になる「さいたまスーパーアリーナ スタジアムモード」はかなりの試練。さらにニジガク自体の性質上、2曲の全体曲を除くと1人きりでステージに挑まねばならないわけですよ……全体的に硬かった感じがしました。逆に9人が揃っている曲は表情が和らいでいたように感じられたので、ソロの難しさを実感しました。
 全体曲「TOKIMEKI Runners」から、役柄の表現が突出していると思っている2人である上原歩夢役 大西亜玖璃さん・天王寺璃奈役 田中ちえ美さんを最初に持ってきたのは、ニジガクへの導入としては良い選択。単独ライブとは違い「知らない」「興味が薄い」観客がいるライブだったのですが、「TOKIMEKI Runners」含めたこの3曲が並んだ事でニジガクの雰囲気が伝わりやすくなったと思っています。一方で2日目は最後の3人が良いステージを見せてくれて、良い形で締めてくれました。
 ソロ曲は後ろにゲーム内映像を流しながらのスタイル。接点がゲームぐらいしかなかった人も多かったでしょうから、キャラクターを知りやすくなって良かったのではないでしょうか。この流れだとワンコーラス(PVありの部分)だけ繋げたメドレーの方が負担は減らせたのかな……まあ出来ない理由があったので仕方ないですが。



・夢への一歩
 上原歩夢役 大西亜玖璃さんの一生懸命さが伝わるパフォーマンスは、初期の肩書「コツコツ系スクールアイドル(今はまごころ系)」を感じさせてくれて好きなんですが、今回も同じような感覚を受け取りました。また単独ライブと同様「ソロ1番手」でしたが、単独ライブでは涙を流してしまったのに対し、フェスでは歩夢らしさを最後まで貫き通した表現が出来ていて、成長した姿が見られましたね。2日目のMCで噛んでいた後の反応も可愛かったんだよなぁ……。

・ドキピポ☆エモーション
 天王寺璃奈役 田中ちえ美さんは上原歩夢役 大西亜玖璃さんとは対照的で努力で天王寺璃奈ちゃんを引き寄せてくるタイプだと思っています。ブログでも書かれて(参考)いますが、璃奈ちゃんボイスは地声とは少し遠いからと声の使い方を変えているようです。MCで少し声が変な感じだったので心配だったのですが、使い方を変えている事が幸いしてかパフォーマンス中はそこまで気にならなかったのは不幸中の幸い、パフォーマンス中はばっちり璃奈ちゃんモードでした。しかしMCの璃奈ちゃんボード装着でざわつくのは面白いなぁ。知らない人が見ればあれはびっくりしますよね。

・眠れる森に行きたいな
 近江彼方役 鬼頭明里さんは前2人の割りを食っちゃう出演順だった感じ。力がある方なのですが、曲調で損しちゃうのですよ。これは後述のエマ・ヴェルデ役 指出毬亜さんも同様なのですが……ニジガクソロ曲はライブへの向き・不向きの差が大きい感じなのが少しもったいないなぁと。盛り上がるだけが全てじゃないですけど、知らない人への初見のインパクトが変わっちゃうので。「眠れる森に行きたいな」はベッドという小道具のおかげでまだフックはある方なのですが。

・Starlight
 朝香果林役 久保田未夢さん、単独ライブのときにも書きましたがさすがの場馴れ感。経験の豊富さもあり、パフォーマンスも群を抜いて完成度が高かったです。ただラブライブ!のライブという事を考えると、「キャラクターを演じる」ではなくキャスト本人との融合が欲しいのですよね。キャラクターの表現だけでなく、本人としての表現も交じる感じ。経験豊富で演技が出来るがゆえに、自分を出さずに済んでしまう……その点が個人的に気になる点ですね。それが出来ちゃったらニジガク内で太刀打ちできる存在がほぼいなくなっちゃうぐらいなのですが。
 
・あなたの理想のヒロイン
 桜坂しずく役 前田佳織里さんは2日目の1番手。初日から表情が硬かったのですが、このソロでのパフォーマンスも動き・表情ともに硬いように感じられました。ソロはシリアスな曲調なだけに表情を出さなくても良い状況であったのが救いですが、1番手としての重圧を感じてしまっていたのか、前田佳織里さんのポテンシャルと魅力が出しきれなかった感じ。普段は表情豊かなんですけど、まだまだ経験不足なのかなぁ……次の機会でのリベンジに期待したい所です。

・Evergreen
 エマ・ヴェルデ役 指出毬亜さん。どうしても与えられた曲がライブに不向きな感じはしちゃいますね。みんなとコールが出来る2曲目の方がライブ向けではあるんですけど、ダンス映像とセットにするとなるとこちらを選ばざるを得ないのですよ。歌唱や振り付けも良かったですし、あの大きな会場をエマ・ヴェルデの世界観に染められていたとは思いますが、いかんせん印象面で不利になっていた感は否めないです。彼女たちにライブ映えする曲が与えられてほしいなぁ。

・ダイアモンド
 中須かすみ役 相良茉優さん、単独ライブに続いてかすみん王国を築き上げました。Evergreenとは対象的にライブ向きの楽曲なのはキャストを助けている感じ。途中の「LOVE かすみん」コールは、単独ライブの時以上の凄まじさでしたね。そりゃ3倍ですもん、響き渡りますよ。この空気を作れる力は何物にも代えがたいですよ。

・めっちゃGoing!!
 宮下愛役 村上奈津実さん。『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』内で「歌いながらダンスして辛そうだったり不安そうに見えたら、見ている人が楽しめない。絶対そういうところは見せないようにしないといけないし」という桜内梨子の台詞がありましたが、これを理解し実践しているニジガクの1番手が、この宮下愛役 村上奈津実さんだと思っています。さすがに緊張感は隠せなかったですけど、ダンスもそれなりに激しい中、1人きりで誤魔化しも効かないステージ上で1曲笑顔を通し続けたのが凄かったのですよ。

・CHASE!
 優木せつ菜役 楠木ともりさん、声量・動きともに抜群の内容でニジガクのトリとしては相応しいステージを見せてくれました。フェスのときには20歳になっていましたが、単独ライブのときはまだぎりぎり10代だったんですよ……大舞台に強いって感じ。パフォーマンスだけで見れば間違いなくニジガクNo.1でした。

 そしてニジガク最後は全体曲2曲目「Love U my friends」。単独ライブ時はジャケット同様のお揃いの衣装でしたが、この日は「TOKIMEKI Runners」からの流れでバラバラなそれぞれの衣装。バラバラ衣装で踊る「Love U my friends」は趣があって面白かったです。2日目のこの曲では重圧から解放されたのか9人の表情が活き活きしていたのが印象的。さすがにラブライブ!を関する2度目のライブがSSAってのは飛躍が過ぎますね……とは言え、企画開始から2年半経っている事を考えると、μ's・Aqoursと比べると成長のペースが少し遅いかなーって思っちゃいます。ソロ中心で互いのパフォーマンスをチェックしあう機会が少ないのが、切磋琢磨に繋がっていないのかもしれません。もうすぐ発売されるユニット曲によって、ソロ活動の弱みを克服できていくかが個人的な注目ポイントです。


ラブライブ!サンシャイン!!ユニットコーナー
 ニジガクに続いてはラブライブ!サンシャイン!!のユニットコーナーでした。Aqoursに関しては2日間で披露曲も衣装も変えてくる攻め攻めの展開。

CYaRon!
 day1_08 元気全開DAY! DAY! DAY!
 day1_09 P.S.の向こう側
 day2_09 近未来ハッピーエンド
 day2_10 夜空はなんでも知ってるの?

 CYaRon!は2日間とも元気・しっとりの対象的な選曲。1日目の「元気全開DAY! DAY! DAY!」で一気にAqoursモードに引っ張り込んでくれました。
 2日目の「近未来ハッピーエンド」では旗を使った振りも見せましたが、三者三様の捌き方が楽しいのですよ。高海千歌伊波杏樹さんの甘々ボイス、Aqours曲よりもより多く聴けるのが好みなポイント。黒澤ルビィ役 降幡愛さん、近未来ハッピーエンドでのアレンジシャウトが今回も聞けて嬉しかったなぁ、あの楽しさを存分に爆発させるような歌い方はテンアゲさせてくれます。そして舞台上の人数が少ないからこそ、動きの良さが際立って見えるのが渡辺曜斉藤朱夏さん。尖った部分がそれぞれ違う3人が絡み合う面白いユニットだよなぁ、CYaRon!


AZALEA
 day1_10 GALAXY HidE and SeeK
 day2_11 LONELY TUNING
 day1_11 トリコリコPLEASE!!
 day2_12 ときめき分類学

 紹介BGMがトリコリコのアレンジだったので、予想外だったAZALEAの入り。黒澤ダイヤ役 小宮有紗さんのソロで入る「GALAXY HidE and SeeK」は美しさ溢れる小宮有紗さんをメインに据えるのが良く分かる曲。「トリコリコPLEASE!!」は2日目に回されましたが、AZALEAの雰囲気を知ってもらうには適した楽曲。その「トリコリコPLEASE!!」では曲中にトリコリコステッキを使って色変えを要求するなど、フェスの特別感が味わえる流れも。松浦果南諏訪ななかさんの透明感を感じる声が映える「ときめき分類学」で静かに去っていくのがAZALEAらしいなー。元気ハツラツな国木田花丸高槻かなこさんの艶っぽい歌が聞けるのもAZALEAだけ……ってわけではないですけど、存分に堪能できるのはユニットならではですよね。

Guilty Kiss
 day1_12 コワレヤスキ
 day2_13 Guilty!? Farewell party
 day1_13 Guilty Eyes Fever
 day2_14 Guilty Night, Guilty Kiss!

 Strawberry Trapperなしでも強さを見せるGuilty Kiss。随所で伸びやかなボーカルを見せる津島善子小林愛香さん。時折ハの字になる眉が素敵に見える桜内梨子逢田梨香子さん。個性あふれる2人を歌声の力でねじ伏せていく小原鞠莉鈴木愛奈さん……個性を活かしつつも、束ねられる事でより強くなるのがGuilty Kissの魅力なのですが、今回も存分に浸らせていただきました。2曲ぐらいじゃお手の物って、感じで軽々と激しいパフォーマンスをこなしていくのが素敵です……これはAqoursのユニット全部に言えることですけどね。
 最後の「Guilty Night, Guilty Kiss!」でCharmの魔法をかけて去っていくいくあたりもやっぱりGuiltyですわ。


Saint Snow
 day1_14 / day2_15 SELF CONTROL!!
 day1_15 / day2_16 Believe again

 1日目はSELF CONTROL!!衣装で、2日目はBelieve again衣装だったSaint Snow。曲は2日間で変わらないですけど、両方とも盛り上がる楽曲だったので会場内は凄まじい熱気で包まれました。
 Believe againでの鹿角理亞役 佐藤日向さんによる帽子を押さえながらの振り付けがキュートなんですけど、理解者はおられますかー?歌唱ではメインになっている鹿角聖良役 田野アサミさんは声量・音程ともに安定感抜群。楽曲も相まって強すぎるユニット。そりゃ愛されますよね、と再確認しました。


 この後ライブは1日目・2日目で分岐していくのですが、2日目の順番で語っていこうと思います。



μ's
 day1_21 / day2_17 僕らのLIVE 君とのLIFE
 day1_22 / day2_18 「ラブライブ!」TVアニメメドレー
 day1_23 / day2_19 Snow halation

 お久しぶりに会えましたよ、μ's。1日目はトリでの登場で、伝説開幕というキャッチコピーを現実のものとしたグループへの敬意が感じられる配置。そして2日目、今日も同じかなーと思ったら、ユニットコーナー直後にμ'sでの劇伴が流れてきてびっくり……2日目は「いま、最前線を走る」Aqoursにトリを任せる形。
 セットリストは2日変わらず、売れた後の多くの人に届いたアニメ楽曲メドレーを、売れていなかった時代のCDシングル リード曲2曲で挟む、印象的でもあり対象的でもある流れ。売れていなった時代とは言えアニメでも使われているので実質アニメ曲のみの展開になっていて、μ'sを初めて見る人も多かったライブという事を考えると良い選択でした。
 何度か語ったことがあるので、見るのが・聞くのが繰り返しになってしまう方もいるかもですが、自分はμ's First LoveLive! の2曲目「Mermaid festa vol.1」で「この曲も振り付きで?!しかも1曲通して」という衝撃からより深くファンになっていったという経緯があっただけに、全てがアニメ使用楽曲でありながら1曲通して振り付け再現をした曲がなかった点は少し残念でした……とは言え、振り付け再現をしていない時に何をやっていたかというとステージを広く使ったりトロッコ上での観客へのアピールだったわけですよ。先程も書きましたが初めて見る人も多い今回のライブだったのですから、そういった人たちの近くに行きたい、それが9人の思いなんだと感じられて、納得感はありましたよ。膝の不安を抱える絢瀬絵里南條愛乃さんの負担も減らせますしね。残念だけど納得出来る采配。
 姿かたち含めて南ことりと同一化している内田彩さんを久しぶりに見られましたし、μ'sにおけるパフォーマンス面での先導役たる園田海未三森すずこさんは動きのキレを増していたのはもちろん、響き渡る歌声には多彩な感情がぎっしりと詰め込まれていて、さらなる成長を感じさせてくれました。笑顔が素敵だなーってなったのが星空凛飯田里穂さんと小泉花陽久保ユリカさんのりんぱなコンビ。かたや芸歴の長さが感じられる愛嬌溢れる笑顔、かたやモデル出身ならではの美しさも感じさせる笑顔が華やかな2人は作中だけでなく現実でも素敵なコンビであると再認識。
 ラブライブ!プロジェクトにおけるリーダーの中のリーダー的存在になっている高坂穂乃果新田恵海さんのMCは、1つ1つの言葉に重みがありました。ここで書き出してしまうのは陳腐化してしまいそうなので避けますが、ラブライブ!プロジェクト最初のリーダーが新田恵海さんで良かったと思わせるものでした。
 西木野真姫Pileさんに関しては伸びやかなソロが聴ける曲がなかったのが残念。でも楽しそうに歌い・踊る姿は輝いていましたし、絢瀬絵里南條愛乃さんと一緒に高坂穂乃果新田恵海さんを挟み込んでいたずらっ子なような表情を浮かべる姿と「あー、ぱいちゃんはこれですよ」って嬉しくなっちゃいました。
 3年生組に限ると、最も身長が低い矢澤にこを演じる徳井青空さんが一番のっぽ(159cm)で、同じく3年生組の絢瀬絵里南條愛乃さん・東條希楠田亜衣奈さんがともに150cm。この3人がTVアニメメドレーのときにトロッコに同乗していたので、アニメとは真逆の凸凹感が存分に楽しめたってわけですよ。μ's時代は学年曲が2年以外は1曲しか無く、この凸凹感を味わえる機会は多くなかったのですが、これまでと同等かそれ以上の時間「真逆の凸凹感」が味わえてニヤついていました。完全再現をしなかった故の嬉しい事象でした。
 TVアニメメドレーの後は、MCでのいつもの振りから最後の曲「Snow halation」へ。発売週に1000枚ちょっとしか売れなかったCDのリード曲がアンセム扱いになるのは不思議な感じ。もちろん発売当初から評価されていた曲ではあるのですが、その発売週に売れた数の数十倍もの光に包まれた景色は、「みんなで叶える物語」を象徴するものでした。


Aqours
 01 未体験HORIZON

 day1_16 / day2_20 届かない星だとしても

 day1_17 MIRAI TICKET
 day1_18 青空Jumping Heart
 day1_19 恋になりたいAQUARIUM

 day2_21 WATER BLUE NEW WORLD
 day2_22 未来の僕らは知ってるよ
 day2_23 HAPPY PARTY TRAIN

 day1_20 / day2_24 君のこころは輝いてるかい?

 最後に触れるのはAqours、μ'sの項でも書いた通り最前線で戦い続けているメンバーです。ユニットの方で個々の事は触れたので、こちらは個々の事は極力控えめで……。
 初日のライブ1曲目、何の曲で始まるのかわからない状態でしたが、蝶の羽根が薄っすらと見えた瞬間、感謝の念が湧いて出てきました。ようやく見られたのですよ、好きなキャラがセンターにいるPVを背負ってパフォーマンスする瞬間を!「未体験HORIZON」は好きなキャラがセンターでいるという部分ではもちろんですが、実際のパフォーマンスを見たらフェス向きだなと実感しましたよ。まず歌い出しから「新しくなれ! 動き出したミライ」「見渡してみなよ たぶん呼ばれてるから」「僕らの夢が伝われば 信じられないくらい遠くへ飛べそうだから」序盤だけでもフェス向けの要素な歌詞満載でしょ。ラブライブ!の普遍的なテーマなのでこういう歌詞になるのでしょうけど、フェスの持つ意味合いとも重なって感じられてサビに入る前に目が潤んじゃっていました。そして最後が「これから これからだからっ 前へ進むんだ 思い出抱いて 前に…」ですよ、ここまで苦難を乗り越え進んできたAqoursにもかかわらず、ここで「これから」を歌うのが心にグッと来るんですよ。
 そして再登場時の最初の曲が「届かない星だとしても」なのも憎い演出。スクフェスアプリでは「星」以外の9文字に9色が振り分けられているのですが、その9色はμ'sのメンバーカラーなのでそういう曲なのですよね。そんな曲を初日はμ'sが控える中で、2日目はμ'sからバトンタッチを受けた直後に歌う。ドラマティックという言葉が相応しい構成だったのではないでしょうか。
 1日目は「MIRAI TICKET」→「青空Jumping Heart」→「恋になりたいAQUARIUM」と時間を巻き戻す展開から、唯一活動期間が被っている楽曲「君のこころは輝いてるかい?」とμ'sへのバトンタッチを意識した展開。一方、トリを務めた2日目では、ラブライブ!優勝曲を並べることになる「WATER BLUE NEW WORLD」、「期待が僕たちへ たくさん合図くれるから 逃がさないで チャンスをつかまえて」を実行してきたと振り返ることができる「未来の僕らは知ってるよ」、μ'sのあとのこの順番だからこそ生きる「開いた花の香りから 受けとったよ つぎの夢を」と歌い出す「HAPPY PARTY TRAIN」の流れで、こちらはμ'sからバトンタッチを受けさらに進んでいくよという意思が感じられる展開。この流れを踏まえると、「君のこころは輝いてるかい?」が1日目と2日目で違った意味合いを持つことになります。文脈によって意味合いが変化・付加されて深みを増していくラブライブ!楽曲ですが、その真骨頂をこのライブで感じ取れたはずです。そうそう両日ともAqours shipでの登場だったのですが、船の意味合いもセットリストの変化で変わってくるんですよね。1日目がμ'sのための露払いだとしたら、2日目は最前線で道を切り開いていくことになります。
 そんなセットリストをこなした9人のパフォーマンスは、μ'sがいるという緊張する状況の中でしたが、いつも通りかそれ以上の気迫すら感じました。リーダーの高海千歌伊波杏樹さん、最初の曲でセンターを務めた国木田花丸高槻かなこさんの2人のパフォーマンスが特に印象的。やはりセンター曲の重責が成長を促していくのでしょうね。



 最後のMCについても多くは語りません。ただ、キャストやこのライブに関わってくれた・作り上げてくれたスタッフの皆さんが持っている気持ちが、自分と同じだったという事が改めて理解でき、胸が一杯になりました。


 さて今回のライブ、「締め」を想起させるような曲は使っておらず「まだこの先もラブライブ!が続いていくんだぞ」というメッセージが込められているように感じました。だからこそアンコールなしでビシッと終えた構成も良かったと思います。
 構成と言えば出演者全員でのパフォーマンスがありませんでしたが、この点について語っていこうかと思います。結論として自分は出演者全員でのパフォーマンスが「無くて良かった」と思っております。それはラブライブ!プロジェクトが大切にしている部分を尊重すると「そうなるから」だと思っています。
 大切にしている部分とは何なのか?自分が感想エントリを書くとき、Aqoursに関してはナンバリング表記を使いますが、μ'sに関しては正式タイトル(かその一部分)を必ず書くようにしています。これは9人揃っていないライブにおいて、キャスト側からナンバリングを外すような働きかけがあった事に起因しています。「μ's New Year LoveLive! 2013」のMCでは、小泉花陽久保ユリカさんが「3回目のライブが2回目みたいなものなんで」と言ったのに対し、星空凛飯田里穂さんが「9人揃ってμ'sだもんね」、矢澤にこ徳井青空さんが「これ2ndライブじゃないもんねー」と言っており、9人が揃ってこそという事を示しました。また今回のラブライブ!フェス後の小泉花陽久保ユリカさんの記事でも

『μ's』としては
どんな形であってもステージに上がるその時は
絶対に『9人全員』が揃う時でなければ嫌だ。

そんな強い気持ちを個人的にずっと持ち続けていて叶うこととなった
ラブライブ!フェス』 

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 今回のラブライブ!フェスには鹿角聖良役 田野アサミさんがMC時に触れたA-RISEがいないわけですから「出演者全員 ≠ プロジェクトに登場した主要なスクールアイドル全員」ですよね。そんな状態で全体パフォーマンスをやるのは、μ'sから続いていた拘りをふいにする行為だと思うわけです。
 また、よく言及される「SUNNY DAY SONG」や「TOKIMEKI Runners」についても、もしやるとしたら歌うメイングループとその他大勢な構成になってしまいます。それってどうなんですかね?もしグループ間の垣根を超えたパフォーマンスがあるのであれば、どのグループも対等であるような、フェスのために作られた新曲の方が良いと思っております。


 「スクールアイドルがμ'sだけでなくもっともっと増えた時に、一堂に会するフェスみたいなのを見てみたいよね」という話を友人がしていたのは2014年ぐらいだったでしょうか……それが実現するようなところまで来るとは思っていませんでした。
 ラブライブ!では初期に2枚のCDが発売されましたが、「僕らのLIVE 君とのLIFE 」のアニメPVではあった次の曲の予告が「Snow halation」の時にはなく、「もう終わってしまうのではないか」ハラハラしていた人が自分の周りにはいました。実際「Snow halation」が出たあたりまでは、ラブライブ!プロジェクト自体が「いつまでも」継続していく未来が見えず、いつ企画終了の報せが出てもおかしくない状態でした。それを覆すきっかけとなったのがμ's First LoveLive! 、そこからの地道な積み重ねを続けましたし、Aqoursも同じように積み重ね、スクールアイドルを、ラブライブ!の世界を広げていきました。そして今度は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会がその役割も担っていくはずです。
 まだまだ広がる予感を見せて終わったラブライブ!フェス……これ1回きりだなんて思ってないからな!そのまだ見えぬ次の機会へ、自分に出来ることを出来る範囲でし続けながら待とうと思います。