けいあんの御触書

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唯一の選択 ラブライブ! サンシャイン!!第20話(2期7話)

 自分の通っていた小学校は甲府市中心部に近かった為、ドーナツ化現象の煽りをもろに食らって4校統合によって消滅してしまったんですよ。「郷土の」とか「地元の」とかそういう意識はほとんど持たないようになった自分ですが、さすがに通っていた学校ともなると思い入れもあるわけで、無くなるという報告を受けた時と実際に無くなった直後はショックを受けていたことを覚えています。建物自体は残っているんですけど、自分の通っていた時と同じ使われ方をしていないという事で、記憶の中に残っている建物の同じようなものに見えないんです。

 またスポーツ大好き人間の私にとっては「記録に残る」というのはとても大きな意味合いを持っています。いつか抜かれてしまう記録に関してもリストには載ることになりますし、最高峰の大会での優勝記録ともなれば、文化が続く限り「記録に残る」……これは半永久的に残ると言っても過言では無いでしょう。
 そんな点で今年のSuper Bowlは、Super Bowl史上最大の25点差からの逆転勝利、51回目にして初の延長戦突入、その奇跡に繋いだミラクルキャッチ……Patriotsファンの自分にとっては記憶にも記録にも残る試合となりました。

 そんな2つの身近な事が、作品と重なった2期7話。心を揺さぶられずにはいられませんでした。

 学校がなくなる事が決まったAqoursは、ラブライブ!の歴史に名を刻み半永久的な存在になろう……そういう方向を向いたわけです。1期12話で音ノ木坂学院を訪ねたAqoursは、学校を残したμ'sが関わるものは残さずに去っていった事を知りました。状況に小さな差異はあるとは言えこの事があったからこそ、Aqoursも同じ方向を向けた。1期12話とのリンクによって、音ノ木に出向いたシーンの持つ意味合いが強くなっていき、同じ場所でスタートを切った事も運命的に感じられるわけです。

 これは再放送時の発言ですが、μ'sの時はG'sでのテキストを織り交ぜた表現がありまして、知っている人にとっては「あれだ」となる展開だったわけですよ。今回のAqoursの物語では直接的な引用元はなかったものの、G'sでの展開を踏襲したものでして、そのテキストを知っていた自分にとっては、今回の話のラストに至る展開とその決断はより強く響きましたよね。

「このままでは廃校になる」という音ノ木坂学院と「廃校を先延ばしにしていただけ」という浦の星女学院では大きく状況が違っています。

1から次へ ラブライブ! サンシャイン!!第14話(2期1話) - けいあんの御触書

 「廃校が確定というのはG's時空では初期からの決定事項であったのでこんな書き方をしていましたし、「だから皆の記憶に残してほしい」というのもG'sテキストで表現されていたことで、ここで1つの糸に縒っていくのか……と感じましたよね。
 現実でのAqoursが活動を始めた頃はまだμ'sが精力的に活動していましたから、μ'sを見ていてG'sまで見ていなかった人も多かったでしょうし、そもそもG'sを見ていなかった人もたくさんいると思います。さらに今でもラブライブ!の世界とそのファンはどんどん拡大していっていますから、アニメから入った人にもその事実を知らない人がいるでしょう。もちろんアニメはそういった人たちにも楽しめる作りになってはいますが、廃校が決定事項ながらも活動を続けていくというG's時空のAqoursの悲痛な想いががこもったテキストを知っていると、今回の話がその想いがこもったテキストを生む要因となっていると感じられますし、今回の2期7話を見てからテキストを読み返すと、Aqoursの活動の儚さが感じられると思います。

 G's時空の主題を引き寄せるという意味合いを持った2期7話ですが、記憶に残すだけでなく記録に残すまで行ってほしい……そんな思いを抱かせる良いドラマでした。

NFL2017 お気に入りプレイ集 前半戦

 NFLはPROBOWLまで入れると全22週……という事は今週の試合(WEEK 11)が終わった所ででシーズン的にはちょうど半分です。

 全試合見ている私けいあんがこれは良かったと思うプレイを各週1つずつピックアップしてみました。パスキャッチに偏っちゃったのは見ていて派手だからですかね……ランでもディフェンスでも良いプレイはたくさんあったので、各試合のVIDEO集や自分のはてブを見ていただければ良いのではないでしょうか。毎週20プレイ以上はブクマしているので、全部見るとあっという間に時間を奪われると思います。
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 では紹介していきましょう。


・WEEK 1 NYG@DAL
 3-6-DAL 24 (11:49) (Shotgun) D.Prescott pass short left to C.Beasley ran ob at DAL 31 for 7 yards. 弾いた後の集中力ですよ……片手で頭の後ろでキャッチとか凄すぎでしょ。NFLではきちんとボールを確保した後で2歩以上フィールド内に足を付かねばならないのですが、キャッチしながらも足元にも気が配られているのが感じ取れると思います。


・WEEK 2 CLE@BAL
 3-1-CLV 27 (11:28) (Shotgun) K.Hogan pass deep middle to D.Johnson to BLT 39 for 34 yards 
 体制を崩しながらも腕を懸命に伸ばしてのワンハンドキャッチ。受け身がほとんど取れずに衝撃を受ける体勢にもかかわらず、ボールをしっかり確保し続ける……NFLのレシーバーの技術力と集中力の高さが感じられます。

・WEEK3 CLE@IND
 2-1-IND 28 (:44) (No Huddle, Shotgun) D.Kizer pass deep right to J.Leslie to IND 2 for 26 yards

 2週続けてCLEのプレイ。ジャンプしながらの片手キャッチから、引き寄せてしっかり確保。体勢が崩れている上にタックルもされている状況でこれですからね……しかしこんなプレイを繰り出せる選手もいるCLEですが、現在10戦全敗です。トンネルは抜けられるのかな……


・WEEK 4 JAX@NYJ
 1-10-NYJ 25(8:02) L.Thomas reported in as eligible. B.Powell right tackle for 75 yards, TOUCHDOWN. The Replay Official reviewed the runner was not down by contact ruling, and the play was Upheld. The ruling on the field stands.

 JAXディフェンスが不用意な部分もありましたが、NFLではタックルによる転倒でなければプレイは継続なので、それを察してすぐに立ち上がって走り始めたRBパウエルを褒めるしか無いです。

・WEEK 5 JAX@PIT
 3-17-PIT 34(4:11) (Shotgun) B.Roethlisberger pass deep middle intended for A.Brown INTERCEPTED by B.Church (J.Ramsey) at JAX 49. B.Church for 51 yards, TOUCHDOWN. 弾いたボールをINTするのはよくあるパターンですが、目の前に飛んできたとは言え叩き落とすようなボールに反応してキャッチするのがまずすごいですし、キャッチ後にすぐにリターンに転じ、ディフェンスをかわしきっての独走と素晴らしさが詰まったプレイですの。

・WEEK 6
 3-2-PIT 49 (3:34) (Shotgun) B.Roethlisberger pass deep left to A.Brown for 51 yards, TOUCHDOWN. 

 今度はディフェンスが弾いたボールをオフェンス側がキャッチするプレイ。軌道の変化に対応してワンハンドキャッチをしただけでなく、すぐに前へと走り始める展開の速さに驚かされるプレイです。

・WEEK 7
 1-10-NYG 38(9:49) R.Wilson pass deep left to P.Richardson for 38 yards, TOUCHDOWN. Toss to 21-J.D.McKissic who throws back to R.Wilson.

 フリフリ!フリーフリッカー(flea flicker)はよく使われるスペシャルプレイ。キャッチの所は競り合いで綺麗に決まったとは言い難いのですが、流れ自体は美しいですし、WRリチャードソンが競り合いながらもキャッチを決めた点で自分の中では評価の高いプレイです。

・WEEK 8
 2-10-BLT 34(14:29) (Shotgun) M.Moore pass short right intended for J.Landry INTERCEPTED by C.Mosley at BLT 37. C.Mosley for 63 yards,TOUCHDOWN.

 弾いたボールをキャッチするのはよくあるけど、パスに反応して至近距離でキャッチするの凄すぎでしょ。しかもそこから63ydsリターンTDまで繋ぐんですよ。110kg以上ある選手がこのスピードで走るんですから、NFL選手の身体能力は驚異的です。


・WEEK 9
 3-33-LA 48 (9:39) (Shotgun) J.Goff pass short left to R.Woods for 52 yards, TOUCHDOWN.

 サイドスクリーンからの絶妙なルート取りと加速が見所のプレイ。走ったWRウッズも素晴らしいのですけど、ブロッカーの働きも絶妙なので何度か繰り返して全体を見ていただきたいプレイなのです。

・WEEK 10
 4-7-JAX 44 (:34) (Punt formation) Direct snap to C.Grant. C.Grant up the middle for 56 yards, TOUCHDOWN. Fake Punt

 パントフェイク大好き。リスク高いチャレンジングなプレイだからこそ、決まった時に相手に与えるダメージも大きいのですが、これはRBグラントの好走が光りましたね。Pノートマンのフェイク(ボールが逸れたように見せる動き)も好き。

・WEEK 11
 4-5-KC 36 (2:12) (Shotgun) E.Manning pass deep left to R.Lewis to KC 2 for 34 yards (P.Gaines).Penalty on KC-P.Gaines, Defensive Pass Interference, declined

 延長終了も近くなり、このチャンスを逃すと勝利の可能性が低くなる状況での4th downギャンブルでこのプレイですよ。パスキャッチが失敗していても相手の反則があって前進できていたとは言え、このキャッチの評価が下がるものではありません。完全に体勢崩していたのに、ボールを地面につけないようにキャッチするのめちゃすごでしょ。


 という感じで各週1プレイずつ取り上げてみました。1プレイずつにするために泣く泣く絞ったプレイもあったのですが……まあ好みもありますしね。

 さてNFLはレギュラーシーズンがあと6週。全チームが休養週を終えたので全チーム残り6試合でプレーオフ争いが繰り広げられます。ここからがさらに面白くなってくる所。興味のある方は是非本場のNFLを見てみてください。

最後の1ピース ラブライブ! サンシャイン!!第19話(2期6話)

 ED曲「勇気はどこに?君の胸に!」が発売されたので買ってきたわけですが……なんなの畑亜貴、予言者なの?この日に発売するのを見越しての歌詞なんじゃねーの?なにこれ、なにこれ……6話視聴後に聴くのが最高のタイミングでしょ、この曲。という事で6話本編でもやられていたのに、TVサイズで聴けなかった部分をCDで聴いてもんどり打っておりました。畑亜貴恐るべしだわ……。

 今回の話を見て思い出されたのが2012年の紅白歌合戦での「ももいろクローバーZ」と「SKE48」所属の藤本美月さんのパフォーマンス。
 前者はリーダー百田夏菜子さん持ち技であるエビ反りジャンプに連続前転、他のメンバーも側転などの大きな動きを披露して沸かせました。そういえば馬跳びもありましたね……そして百田夏菜子さんはリーダーの器じゃないと思っていた事もあったりと、千歌と被るんですよね……ももクロは2015年に女川町のイベントで生で見る事が出来たのですけど、あの運動量であの声量が続くの本当にすごいんです。
 後者の藤本美月さん、ロンダート→バック転→バック宙という今回千歌が見せた以上の技を披露していたのです。今回のモデルにしたのが「これ」と言われたら素直に信じるレベルなはず。それを紅白の舞台で見事に決めた運動能力と胆力に脱帽したんですよ。
 ももクロSKE48ともにアイドル好きな周りの人は評価していたグループだったのですが、紅白でのパフォーマンスを見て自分も認識を大いに改めた、そんな事が思い出されます。
 ロンダート→バク転ならば運動経験者なら結構楽にできるんじゃないかな?夏・水泳部/冬・スキー部の自分ですら、屋内トレーニングのついでに練習していただけで出来たぐらいですし。ただしバック宙までいくと……自分の感覚ですが、手を着く・着かないの差がとても大きかったので、バク転で止まるのとそこから先まで行くのでは大きな差があると感じたんです。なのであの猶予期間で成功させるなら、結構現実的なラインかなーって思っております。

 さて本編の方ですが、見終わった時に思い返していくつもの「あー」が出てきて心が震えたのですよ。1期4話ではルビィと花丸が今いる場所から互いに手を取り合って、1期9話では果南・鞠莉がわだかまりを解消して、1期5話での善子と2期4話でダイヤさんはそのままで良い事を周りに受け入れてもらい、1期11話・2期5話では曜・梨子が他のメンバーとの絡みながら、それぞれの殻を打ち破ってきたわけですが……まだそれが出来ていない人がいますなって。他の人の殻を破ってあげているのに、自分自身の殻には気付かず閉じこもっている子がね。

 前回の話から浦の星の希望者が10人も増えてないという事実から、パフォーマンスをする機会があれば学校を知ってもらえるが、そうでない時は知ってもらえるチャンスが激減するという事が表現されています。3話で二兎を追うように「ラブライブ!予備予選」と「学校説明会」を両立させようとして上手く行ったことが成功に繋がった。だからこそ次のイベントも成功させればあわよくば、という思考に繋がるのも当然です。
 そこから3年生の過去話に繋げ、3年生の過去の精算を2年生に託す流れ。そして直前の話であった「見えない力」で集った9人のうち8人が、その見えない力を生み出す原動力となった残る1人を信頼して見守り、ちょっとしたきっかけで殻を破らせる……という全てが千歌に収束していく物語だったのですよ。

 自分は主人公が主人公たる物語が大好きなのですが、ここに来て千歌にさらに主人公らしさを背負わせようとした事が、千歌を演じる伊波杏樹さんに重なって見えてしまいましてですね。自分は千歌もそれを演じる伊波杏樹さんも似たようなリーダーだと思っていまして、それは過去の発言から窺い知ることが出来ます。

 こんな感じでともに「自分はリーダーという柄ではない」というのを自覚しているんですが、そこからの脱却が今回。千歌に対しては、そのきっかけを作ってあげたのが果南で、気付かせてあげたのが曜・梨子、残る5人も大切な我らがリーダーを信頼し見守っていました。
 一方、伊波杏樹さんも2nd live tourで座長として相応しいほどの成長を見せていたものの、メットライフドームでは体調不良からか他のメンバーに大いに助けられており、それが最後の心の叫びに繋がったという流れがありました(この部分は2期4話(17話)での感想でも紹介している友人の感想ブログからの改変・引用です。そちらも是非見てみてください http://yoda44.hatenablog.com/entry/2017/10/06/174908 )その伊波さんが残してしまった殻を破らさせるお話だとも感じられて、虚構と現実が重なって見えてしまったのです。この6話の制作のタイミングとしてはメットライフドームの前に話は出来ていたと考えられます。それでも虚構と現実とが重なってしまう……それがラブライブ!の面白い所なのですわ。

 6話挿入歌「MIRACLE WAVE」は千歌だけでなく全員にとって挑戦的であったことは、ライブ映像からもうかがい知れます。これまでよりも速めなテンポの曲、激しさを増した踊り、そして千歌のロンダート→バク転、どれもが挑戦的。有象無象となるようでは予選は勝ち抜けない、背水の陣だからこそ限界ギリギリまでやってやろう、そんな事が伝わってくるパフォーマンスになっている表現が良かったなぁ。
 最初の方は話の展開上、振りに意識を取られて見てしまっていましたが、落ち着いてくると歌詞がまた凄い事に気付かされるのですわ……畑亜貴恐るべし。この短いTVサイズでもダメージでかいのに、フルを聴いたらまたどうなることやら、ですよ。まあ完敗する予感しか無いです。

 0から1にはしたAqoursでしたが、1では普通、有象無象です。ですが今回の話で先に1を脱した人たちの導きで千歌が1から次への1歩を踏み出す、それはこれまでの18話で描いたことの集大成。綺麗に物語が1人に対して収束していき、9人の、学校の、みんなの夢へと繋がっていく、そんなことが感じられるお話でした。

導かれるAqours ラブライブ! サンシャイン!!第18話(2期5話)

 似たような動きに天丼表現、梨子ママに呆れられるような痴話喧嘩etc.……濃密なよしりこ回と見せかけておいて、Aqoursへ波及していきそうな梨子・善子の気付きを表現と、噛めば噛むほど味が出るスルメ回だった5話。今回のテーマは「見えない力」、それは人と人との繋がりだけでなく、出会うこと、そしてタイミングなどなど多岐にわたるものです。

 見えない力というのは自分も強く感じることがありますが、ここ最近ではμ'sの活動を振り返る同人誌を作った時ですかね。自分がラブライブ!を好きだと言い続けてきた事から、自分のフォロー内にとどまらず「こんな事やっている人がいるから手伝ってあげてくれない」という紹介もあって、素敵な本を作り上げられました(こんな本です http://loveliveafter.tumblr.com/)。
 Aqours絡みだと埼玉公演で一緒の席になった方との出会いですかね……自転車ロードレース関係での出会いをきっかけにしてから、色々な企画を動かしたりしまして、本当に良い経験をさせていただいています。
 自分で出来ることは限られているけど、強い「好き」な想いを持って動き続けていると、そんな姿を面白がって or 興味深く思ってついてきてくれる人がいる……ここ10年(Twitterを始めてから)はそんなきっかけで繋がりと見えない力を感じていただけに、上でも書いたような人と人の繋がり・出会い・それらのタイミング等、「見えない力」を描く話には弱いのですよ。

 「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺がありますが、二兎を追おうとしなければ二兎は得る事も当然ないわけですよ。ラブライブ!予備予選と学校説明会の両立を図ったからこその志望者急増、これはAqours9人が起こした小さなキセキだと自分は感じていて、1話・3話にあったキセキに関してのやり取りがここに繋がってきたように感じられて胸が熱くなりましたね。

 今回見えない力について語ったのが善子・梨子・果南だったのですが、不幸=自分が特別な存在というポジティブ思考をしている善子に対し、そのような「見えない力」の存在に同調したのが梨子。その梨子は千歌との出会いから自分の環境が一変したからこそ、善子が語った見えない力に同調もするし、その言葉が説得力を持つのです。
 前後して果南も見えない力に言及していましたが、新生Aqoursに引き込まれた3年生組に、互いに背中を押しあった花丸・ルビィも。ここまでのアニメで描かれてきていた事から、Aqoursのメンバー皆にその見えない力が働きあっているように見えます。2期2話から急接近して学年間の垣根が低くなった事で、見えない力がこれまで以上に強固な働きをしたような感覚すら覚えます。
 梨子は善子の感じていた見えない力を肯定してどこにでもあるものだと諭しましたが、それは学年も趣味も全く異なる梨子と善子とが繋がっている「今の関係」にも通じるものですからね。
  でもこの5話内での見えない力の初出はしいたけなんですよ。そのしいたけに梨子が触れることで、5話のテーマを全て昇華させるってのは綺麗すぎるまとまり方でゾクゾクしちゃいました。

 梨子の言葉を聞いたことで新たな気付きが得られた感じだった千歌の表情が印象的だっただけに、6話ではここまででAqoursが得たものが表現される楽曲が来るのかなー。ってかそんな歌詞が来そうで今から畑亜貴の攻撃に戦々恐々ですわ。

殻を破る! ラブライブ! サンシャイン!!第17話(2期4話)

 今度の3日に案内するために16話(2期3話)に出てきた「狩野ドーム」「虹の郷」の下見に行ってきたんで、その時にそこから重須に出る山道を通ってみたのですけど……あそこ走るよりもみかん畑の方が数倍マシですよ。ほとんどの区間が車1台分の車幅しかなくて、2度と通りたくないって思いましたもん。ただ、途中にはみかん運搬モノレールが各所で見られましたし、区間の最後で浦の星女学院(長井崎中学校)に入る道にちょうど出るルートだったのですよ。この道を通ったことでショートカットにみかん畑を使う千歌らしい発想を感じることは出来ましたし、「みかん畑からこの道に出てきたんじゃないの?」って説を強く意識することが出来ましたよ。3日にもあの道走ってみるかなぁ……
 走ったルートはこんな感じ。ストリートビューですら通っておらず、いわゆる酷道そのものなので、運転慣れしていない方にはおすすめできません

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 4話はダイヤさんの呼称を中心とした、基本的にはギャグテイストが多かったお話でしたが、随所に積み重ねてきた関係性を散りばめての展開があったのが面白かった点ですね。
 3話で善子とじゃんけんをしようとするダイヤのエピソードが有りましたが、4話では学年ごとの垣根がだいぶ取っ払われた事が感じる表現がさらに多くなっていました。特に動いている絵とともに1年生が3年生を「ちゃん」づけするのが新鮮でしたが、これでG's次元に近づいたとも言えます。砕けた呼称は親しみの証、かしこまった呼称は尊敬の証、ダイヤにとっては尊敬されるよりも皆と対等な立場になりたがったんだろうなぁ、と感じてしまってですね……「ちゃん」付けされている果南・鞠莉に嫉妬ファイヤーめらめらとか、仲良くなった妄想をするダイヤとか可愛すぎでしょ。

 バイト選びの場面では「珈琲 波无(ばん)」「hana-花-Flowers」「つじ写真館」などが出てきましたが、花屋さん以外は入ったことがあるお店だったので「ああああっ」って声出ちゃいましたよ。花屋さんは出先だと買うこともほぼなくて入りにくいでしょうけど、「珈琲 波无(ばん)」は趣のある内装で落ち着けるお店。「つじ写真館」は言わずと知れたファンが集まる名所。チョークで描かれた作品愛の詰まったイラストは定期的に描き換えられていて、ファンを温かく迎えてくれるのです。

 物語の方に戻ると、ダイヤはもちろんですが果南・鞠莉がちゃんとダイヤの理解者であることが表現されていましたね。癖を知り尽くしているところとか、「笑いませんか?」と言われ「笑う」「そんなことする訳アリマセーン」とか言いながら聞いて即笑うところとか、良い関係性である事が短い間に表現されていて良いですよね。1期9話では果南・鞠莉がダイヤに見守られていた事とまるで逆の立場になっているのも対照的な展開。立場が入れ替わった話に弱いんだよなぁ。

 今回のダイヤはこの前のライブでの伊波杏樹さんとも被って見えちゃったんですよ。友人と一致した感想になったものなので、それについては友人のブログを読んでもらいたいのですが(これの下の方「伊波杏樹」さんの項ね)

 自分が見た伊波さんは、千歌を演じながら舞台に立っているように感じられていたのです。ライブの時も体調が良くなかったのに、役者としての本能で千歌になって立っていたと(でも……というのは上の友人のブログでも書かれていた通り)。今回の話でダイヤも「役割を演じてしまう」タイプだと見えて共通項を感じられたんですよ。それが出来てしまうと孤高な存在になってしまうわけですが、その殻を破ってあげるための話が今回の話だったんだな、と思ったわけです。殻が破れることで相手に任せられることはしっかり任せる、でもダイヤだから出来ることはきちんとこなす。その判断が出来るようになって対等な立場に近くなる……そんな「ダイヤちゃん」がこれから見られるのかな、なんて思うと楽しみですよ。

 演者さんとキャラクターの相互作用がラブライブ!の魅力だと思うのですが、今回の話は演者さんとキャラクターが違うのに同じ立場が感じられるという、個人的には不思議な感覚を覚えたお話でした。

まっすぐ、一直線! ラブライブ! サンシャイン!!第16話(2期3話)

 「KING OF PRISM SUPER LIVE MUSIC READY SPARKING!」がとてもとても素晴らしかったわけですよ。元となる「KING OF PRISM」監督の菱田正和さんはラブライブ!2期12話に関わっていますし、弟子のラブライブ!監督の京極尚彦さんがプリズムショー演出をしていますしで、ラブライブ!好きとも親和性が高い作品なので、「女性向けじゃないの?」という先入観を排して見ていただきたい作品。女性向けじゃなくて全人類向けですから!
 そんな作品の初ライブから急いで帰ってきての、京極さんから後を託された酒井監督の紡ぎ出すサンシャイン!!の物語、その3話をリアルタイム鑑賞……見られて良かった。この話がリアルタイムで見られなかったら悔いていたところでしたよ。これまでの物語・歌・9人の考えをすべて詰め込んでの最後への流れであの曲、素晴らしかったですね。


 このテンポ、大好き……という感じで前半部は問題提起をしながらも9人の掛け合いが楽しいパート。前週での1年・3年の関係性を深めた事がありましたが、それ以外の関係性も交えて9人の繋がりが強化されていることを描写。善子にじゃんけんで挑もうとするダイヤとか、2話があったからこその組み合わせでしょ。堕天チョキを出すのがわかりきっている感じで、グーを出すダイヤとかじわじわ来ました。善子が目立ちすぎるぐらいなんですけど、こういうパートだと使いやすい子なんで仕方ないですわね。というか可愛がられているよなぁ、善子。


 学校があるからスクールアイドルが出来るけど、スクールアイドルで学校を救おうとしているからには学校説明会も大切。「どっちも大切」という状況に対して9人を5人と4人に分けるというのは「保険」……ですよね。でもこれは自分がいない状況で勝ち上がって場を繋いでくれたという立場の梨子だから言える台詞でもあって、他の8人が提案するのとは重みが違うわけですよ。実際8人で勝ち上がった事を考えると、その時よりも成長した今のAqoursなら、5人でも素晴らしいパフォーマンスをすれば勝ち上がれるでしょう。このように梨子が言う「その中で1番良いと思える方法で精一杯頑張る」という意見は一見頷けるものなのですが、どっちも全力を尽くせるわけじゃないと考えると、崖っぷちのAqours & 学校にとっては保険をかけてちゃ駄目なんですよ。あの時よりも状況は厳しくなっているのですから。
 8人でやったという1期11話の話があるからこそ、9人で揃ってパフォーマンスをすることに意義がある。それは、パフォーマンスが終わったら何とか自力で帰るんだと考えた千歌をはじめ、クレープ屋で全員が選択をできなかったことからもうかがい知れます。


 9人だからこそAqours。現実ではユニットもありでデュオトリオCDもありでと、9人と限定しない活動をして魅力的な面を引き出していますが、今のところ単独ライブは9人が必ず揃ってパフォーマンスをしており、運営も9人が揃うことを第1に考えているように思えます。
 自分はラブライブ!のプロジェクトに関して譲れないものがいくつかありまして、そのうちの1つは9人でのライブです。過去、μ'sのライブ感想では執拗に「New Year LoveLive!」をカウントせずに語っていますがその理由がこのpostです。ここでの5回目は「Final LoveLive!」の事を指しています。

  これはライブ映像でも確認してもらえると思います。演者さんがこう言っているのだから「New Year LoveLive!」はカウントするものではない。単独ライブではあるけど特別扱い(1.5回目という扱い)するのだ、という思いが自分の中に残っていてそれをずっと貫いています。頑固と言われようが、
 「3rd」ではなく「3rd Anniversary LoveLive!」ですし、
 「4th」ではなく「~ENDLESS PARADE~」ですし、
 「5th」ではなく「~Dream Sensation!~」なのです。
それぐらい9人が揃ってのライブというのは、自分の中では重要な要素なのです。


 軽く脱線しましたが元に戻しまして。
 両方とも9人ではパフォーマンスできないとなった時に、以前は8人でより上位の予選をクリアした事もあり、時間が動かせる学校説明会の方に重きを置いた選択になったのは自然かなと。学校にいるのは4人ですけど、予備予選組の5人が間に合う可能性もありますし。でもそこからの展開が劇的。会場側も千歌が何とか学校に辿り着くためのルートを探していたのは見ての通りでしたが、学校組の4人が会場に来た瞬間会場側5人の表情が緩むんですよ。9人だからやれる、9人でやりたいというのがこれだけの変化で示されるのが凄いです。

 あ、学校へ向かうルートは千歌らしいっていうかね…… ここで今回のブログタイトルに繋がるわけですが、付けたタイトルが全てなんです。作ったスタッフもこの位置関係が見えた時に「これだっ」って思ったんじゃないかってぐらい綺麗な一直線なのですよ。
 もちろん道がある所はその道なりに通っているでしょうけど、スタート地点の狩野ドームから、途中で映った虹の郷、そこから浦の星女学院高校が綺麗に一直線なんです。だからこそ中継地点で虹の郷にいるという映像を使ったんじゃないのかなって思うぐらいです。この目標に向かって真っ直ぐなルートをえらぶ点が、千歌の選択らしく感じられたんですよ。そしてAqoursが回り道はせずに目標に一直線に向かうという意味合いも重なって見えるわけです。そりゃルートとしては非現実的ですよ、みかん畑も通りますし。でもまっすぐ目標に向かう事に意味があるという描写なんですよ。


 さて曲は2曲流れましたが……1曲目は「MY舞☆TONIGHT」。イントロから震えるでしょ、2話の雨漏れからの音が感じられて「うわあぁぁぁ」ってならないわけないでしょ。和傘にも見えるようなあの会場であの雰囲気の曲というのも合っていましたね。
 ダイヤが提唱した琴の音色が入りつつもロックテイストで鞠莉要素あり。ダイヤソロの一瞬の無音で花丸提唱の「無」を表現しているのかな。あとは「小さな焔が1つになれば奇跡が生まれる」という中二的で善子な歌詞もありと、6人の中で曲への提案があったものはちゃんと全部入れ込んで作ってあるように見えるんですよね。鞠莉さんのあの振り付けは単独でのアドリブなのかな?それはライブでのお楽しみですかね。
 手を挙げるシーンから観音様が感じられましたけど、あれが4人とか5人じゃそうは感じなくなるでしょうし、9人じゃないと完成しないパフォーマンスでしたし、そういう意味でも9人が完成形だってみんな分かっていたんじゃないかな、って思ってしまいます。
 いつもの浦の星の面々がおらず、パフォーマンス開始前は疎らだった拍手がパフォーマンス後には明らかに反応している人数が増えているというのも、さり気なくも良い描写ですよねぇ。


 そして2曲目はついに繰り出してきたあの曲でした。
 「変えたいと思う 気持ちがきっとだいじだよ(青空Jumping Heart)」
 「なにかをつかむことで なにかをあきらめない(想いよひとつになれ)」
 「今日が明日を 引き寄せる(未来の僕らは知ってるよ)」
3話を見ていた時に思い出されたのがこれらのフレーズ、過去のアニメ関連楽曲だけでもこれらが引っかかって来たのです。でもそれを引っくるめたフレーズが披露したあの曲で挙げる部分だったのかなと。


「うまくいかないって あきらめたら きっと後から悔しいよ
 だから無茶だって やってみたいよその先は
 わからない わからない でもねおもしろそう
 さあ、おいで! (君のこころは輝いてるかい? )」


 歌ったあとの千歌の「どっちにするかなんて選べないし、どっちも叶えたいんだよ」という言葉。これがAqoursの答えですし、これからのテーマなんでしょうね。無理を承知でもやろうとする。それが歌詞からも伝わってくるじゃないですか。この曲に合わせて物語を作ったとも言えるでしょうけど、ここまででアニメだけでなく、現実のAqoursの活動まで含めて生まれでてきたものが、この曲に凝縮されているって凄い事ですよ。予言者ですかね、畑亜貴さんは。「MY舞☆TONIGHT」の歌詞にも2話での物語性がふんだんに盛り込まれていて、曲もシナリオの1つを担っていると改めて感じるお話でした。


 「君のこころは輝いてるかい?」に新たな物語が付加されと、好きな曲を最高な形で使ってもらえた事もあり、記憶により残る1話となった2期3話。サンシャイン!!の物語をよく知る人に作ってもらえて本当に良かったと思える話でした。

色の広がりを感じた ラブライブ! サンシャイン!!第15話(2期2話)

 「本気をぶつけ合って 手に入れよう 未来を」まさにそんな展開だった2話。それぞれが折れる事なく、個性が混じり合う事でグループとしての個性を作り出す。昨今はソロのアイドルはあまりおらず、グループとしてのアイドルが多い理由の1つがこれなんじゃないかなと思っているわけですよ。1人だと色が偏りがちですが、人数が多いと様々な色が出せる、組み合わせで1人では出せなかった色が作れ相乗効果を生み出せるって感じで。μ'sに感じたものがそれでしたし、Aqoursにも当初にはなかった色が出始めて、様々な輝きを発しはじめていると感じるのは自分だけでしょうか?ライブなどでのパフォーマンスを見ても最初に持った印象とは随分と変わってきていると感じていますが、それはキャラクターを掴んできたり、個々人の成長があったりと、上述の組み合わせによる新たな発色と、様々な要因があるからだと思っているのですが。

 先週あんなこと(このままでは廃校になる or 廃校先延ばし の違い)を書いておきながらひっくり返された私です。とは言え100人という人数は今の全校生徒よりも多い数ですから、条件を出した側としては諦めさせるための方便ではあるのですよね、これ。でも鞠莉をはじめせいとがわにとっては大きな一歩で、条件を出してもらえたという事で可能性が繋がる……。自分の周りでも無謀とも思える条件を出されたけどクリアして今に至る、というプロスポーツチームがありましてですね……ヴァンフォーレ甲府というJリーグのチームなんですけど。この辺の経緯は興味のある方は調べてみて下さい。ほぼほぼ無謀な3条件(平均観客動員・年間サポーター数・スポンサー収入を1.5~2倍弱にする)を提案されたにもかかわらずそれをクリアしてしまい、クラブ消滅の危機を脱して今では5年連続J1在籍という、まるでフィクションのような物語が合ったのですよ。今は降格ラインギリギリにいて、ハラハラ状態が続いているわけですよ😓

 アニメで唯一と言って不満に思っている点が学年の枠に囚われがちな事ですが、発起人である千歌を除けば関わりがほとんど無い組み合わせというのもまだまだあります。それは学校生活をメインに描く以上ある程度仕方ないとは自分は割り切ってはいます。とは言え上に述べたようにAqoursも学年の枠にとらわれない様々な組み合わせによって、キャラクターの別の側面が描き出されて様々な色を魅せると思っているのですよ。それぞれが持つ個性を活かす……千歌・梨子・曜が1期11話のピアノや振り付け変更の話でやっていた描写を今回は他の6人で繰り返したわけですが、今回のようなアニメではあまり関わり合いのなかった組み合わせがフィーチャーされて描かれていたのは嬉しかったですし、それが曲作りに活かされるという展開も美味しいなぁと思いました。

 今回の2話は、関わり合いのない組み合わせの交流強化に加え、説明会とラブライブ!に向けた2曲を同時に作る……しかも1曲はこれまでとは違うメンバーが作り出すという2つの要素を上手く交えて展開させたのが素晴らしかった。

 こうなると披露される曲が気になるところですが……歌詞の作成者の違いを表現してきたりしたら畑亜貴さんには平伏させられますよ。というか2話の時点で聴こえ方・染み入り方が違ってきている「未来の僕らは知ってるよ」も凄い曲なんですよ、これ。本当に作品の事を深く知って作ってくれていることに感謝しか無いですよ。

 ということでやられるのが目に見えている3話、楽しみですね。