けいあんの御触書

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日本映画の日本語字幕版上映の話

 なんで2週目からなんだ……とか言っている人がいたようですが、結論から言うと「人が入らねえ」ってのが原因なのですよね、これ。

 「日本語映画を日本語字幕で見たくない」が主要因だと思うのですが、「耳が不自由な方向けだから、問題なく聴こえる自分が席を埋めては……」という心理的障壁も大きそうです。実際、自分もそうでした。

 「シン・ゴジラ」「君の名は。」同様に「聲の形」でも2週目以降になって字幕が設定された理由については容易に想像できます。それは動員の問題です。観客動員とか興行収入ですが、大体週ごとに6割前後に減っていくパターンがほとんどです(これを知っているとつい先程100億突破の報が出た「君の名は。」の動員の落ちなさが異常だとわかってもらえると思います)ですから映画館側としても、封切り週は出来る限り客を入れたいと考えます。話題作は終始満員になり続けますが、日本語字幕を上映してもそれを避ける人を埋めるほどに耳が不自由な方が来てくれるわけではありません。そうなると座席を空けてしまう事となり、機会損失に繋がります。2週目以降なら常時満席ということも少なくなりますし、時間が経てばさらに……という事で、今の状態では開始週すぐに字幕上映と言うのは難しいと言わざるをえないですね。

 2週目の話ではありませんが、シネマシティで4週目に設定された「日本語字幕つき上映」の話がありました。下の記事によると該当の時間より開始が早いものも遅いもののともに満席になった一方、日本語字幕は7割り程度の入になったとのこと。
邦画“日本語字幕つき上映”のメリットと課題ーー『シン・ゴジラ』『君の名は。』の実績から考える|Real Sound|リアルサウンド 映画部
 この結果を見ても、「日本語字幕つき」での上映は、通常上映よりも機会損失を生む可能性が高いと見て取って良いと思われます。(そんな中でも字幕上映を続けようとするシネマシティの姿勢は素晴らしいと思います)

 日本語字幕上映、「シン・ゴジラ」「君の名は。」では大々的に行われましたが、自分が字幕で見て良かったなぁ、と思ったのはアミューあつぎ映画.comシネマで見た「ラブライブ!The School Idol Movie」でした。この時の上映では全編に渡って字幕が出るわけではなく、歌の部分だけに字幕が出たのですが、畑亜貴さんは漢字・カタカナ・ひらがなを使い分け、曲のイメージを繊細に紡ぎ出してきます。歌っている声だけだと分からないその使い分けが、字幕によってくっきり浮きあがったのを見て「これは良いものだ」と感じたのがここ最近での最初の体験でした。この経験があったからこそ字幕版への抵抗が無くなったと言っても過言ではありません。(でも、多分これミスって上映しちゃった気がするのです。上映期間の2週間でこれ以外に3回見ましたが1回も字幕版は流れなかったですし)

 この経験があったからこそ「シン・ゴジラ」「君の名は。」でも日本語字幕でも鑑賞してきたのですが、「シン・ゴジラ」では泉修一の台詞が「燃える」ではなく「萌える」だったのを見て、それまでは面白いシーンとは思わなかったのに見るたびに吹くようになってしまいましたし、「君の名は。」ではRADWINPSの歌詞字幕が、映像の深みを増す役割も果たしたように感じられました。音だけでは見えてこない微妙なニュアンスというのを表現できるのが文字です。そんなニュアンスの付加というスパイスも字幕の良さの1つになると思います。

 と、日本語字幕上映の話をしてきましたが、何が言いたかったかというのを簡潔に書くと
「興味あるなら日本語字幕上映行っておけ。字幕無しで味わえない物が見えるから」
って事ですね。
 そして結論として言いたいことは
「どうせ埋まらない事の方が多いから、耳が不自由な方に遠慮せず席を取っちゃえ。席が埋まることが増えれば字幕つきが上映される回数も増え、耳が不自由な方の選択肢がもっと増えるかもしれないから」
って事ですかね。字幕の楽しさがもっと感じられる作品が増えれば、日本映画を日本語字幕で見るという選択肢を持つ人が増え、結果的に耳が不自由な方の助けになるんじゃないかな、と思うわけですよ。なので、自分も積極的に耳の不自由な方に遠慮せずに日本語字幕上映見に行こうと思います。まずは来週の「聲の形」ですね。